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小説は事実より奇なり

今週は、海外と国内の傑作ミステリー小説に当たった。これら2作はどちらも実際の事件をもとにしたフィクションだが、まれにみる面白さであった。

まずスェーデンのアンデシュ・ルースルンドとステファン・トゥンベリの共著「熊と踊れ」。軍の武器庫から大量の武器を盗み、それを使って連続銀行強盗を働く物語だが、荒っぽい話のようでディテールや心理描写がじつによく描かれている。1990年代初期に現実にあった事件をもとに書かれた小説だそうだが、ひさしぶりにぐいぐいと引き込まれる本だった。活字のうしろに、鉛色をした北欧の冷気が漂っている。

そして吉田修一の「犯罪小説集」。これもここ10数年間に日本で起きた事件を下敷きにした、まったくのフィクション短篇集である。どの話も読みすすむうちに、あぁあの事件かと思いあたる仕組みになっている。だから、読み手は妙な既視感とリアリティを感じる。活字のうしろに、どんよりとした島国の湿気が漂っている。

いま日本の小説家でもっともうまい書き手は女性作家では桜木柴乃だが、男性作家では吉田修一であろうかとおもわせる巧みさであった。

2作とも心底まんぞくのいく読みごたえであった。こう暑いと、エアコンをつけた部屋でミステリー小説を読むにかぎる。

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