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そもそも

いま、ニューヨーク市の酒場で煙草を吸える店は1軒もないはずだ。煙草を吸いたくなった客は外に出て吸う。そこに灰皿は置いてなく、携帯灰皿という文化をもっていない彼らは吸い殻を何のためらいもなく路上に捨てる。それは清掃人の箒で、あるいは雨に流されて排水溝に落ちていき、地下水道の籠に溜まる。それを週に1度ほどくるバキュームカーが太いパイプを排水溝におろして、他のゴミとともに大音量で吸い取る。私は10年ほど前の朝、そういう光景をホテルの窓から見ていた。アメリカ中がいま、そういう状況になっているようだ。東京も、2020年のオリンピックに向かって、そういう「先進国並み」の禁煙都市をめざしているようだ。

しかし、最近の米国ミステリーを読んでいて例外のあることを知った。アメリカのあちこちの田舎には煙草を吸い放題の酒場があるというのだ。インディアン居留区(Indian reservation)、その地域にある酒場ではいまも煙草は吸い放題なのだという。なぜなら、煙草は彼らアメリカ先住民の「そもそも」の文化なのだから。1492年にコロンブスがアメリカ大陸を発見し、彼らはそこにあった煙草と梅毒をヨーロッパに持って帰って広めた。つまり煙草を吸うという文化はヨーロッパ人がアメリカに来るまえからあったものであり、あとから来た者がツベコベいうことではないということだ。ネイティブアメリカンに煙草を吸ってはいけないというのは、大昔から日本人が食べていた鯨を食べるなというのと同じ西洋人の身勝手な理屈と同じだ。

トランプ大統領は大の嫌煙家であり、いま公共の場で煙草を吸ったすべての人間を禁固
1か月以上、あるいは1000ドル以下の罰に処するという大統領令を用意しているらしい。それに対抗して、全米ネイティブアメリカン人権同盟は以下のような指令を地下ネットに流したという。

金髪の、奇妙な髪形の、人種差別主義者の、女性差別主義者の、同性愛差別主義者の、白人優位主義者の、ピンク色の肌をした70歳くらいの大柄なドナルドという名前の男を見つけたら、ただちに拉致して全裸にし、彼のクチとケツの穴に火のついた煙草を数10本突っこみ、自由の女神像から逆さ吊りにしてよろしい。

もうひとつ、トランプ大統領は1月24日、ダコタ・アクセス・パイプライン(DAPL)の工事を進め、カナダのアルバータ州からアメリカのネブラスカ州までの1179マイル(約日本の北海道から九州までの距離)をつなぐ石油パイプライン建設を手がけるトランスカナダ社に、オバマ前大統領が2015年に却下した建設計画の再申請をするように促す大統領令を出した。トランプは建設再開で、2万8000人もの雇用を生む素晴らしい建設計画だと誇らしく述べた。

この建設が強行されることに対し、スー族インディアンの首長会議は、我われの居住区近くを流れる飲料水の水源であるミズーリ川が汚染されてしまうと訴え、アメリカの首都ワシントンでこの3月10日、ダコタ・アクセス・石油パイプラインの建設に抗議する数1000人の支援者らとティピーと呼ばれるあの円錐形のインディアンテントで1週間におよぶ泊まり込みのデモを敢行した。「そもそも」この土地は、父祖の代から数万年にわたって我われの生きる土地だったのだと主張した。そして、全米ネイティブアメリカン人権同盟は以下のような指令を地下ネットに流したという。

金髪の、奇妙な髪形の、人種差別主義者の、女性差別主義者の、同性愛差別主義者の、白人優位主義者の、ピンク色の肌をした70歳くらいの大柄なドナルドという名前の男を見つけたら、ただちに拉致して全裸にし、彼のケツの穴から体内に、パイプで石油の原油1000リットルほどを送り込んでよろしい。

追記しておく。最近、アメリカでいちばんの医学部をもつジョンズ・ホプキンス大学の精神科教授3人が緊急報告としてNYタイムズに共同意見を寄稿した。「ドナルド・トランプ大統領は最近の言動をうかがうかぎり、典型的な偏執的自己愛症であり、切迫性被害妄想症である。できるだけ速やかに、しかるべき施設に収容すべきである」と。

きょうは、4月1日。私には、すこし妄想癖がある。